食品添加物のメリット・デメリット8選!~危険性や海外との違いもご紹介~

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「食品添加物って、どうしても必要なものなの?」
「そもそも食品添加物って何だろう?」

こんな疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

本記事では、食品添加物のメリット・デメリット8選や、危険性、日本と海外との違いについて解説します。

この記事を最後まで読むと、食品添加物のメリット・デメリットを把握して、上手な付き合い方が明確になるでしょう。

食品添加物のメリット・デメリットを把握したい方は、ぜひ最後までお読みいただき、今後の食生活へ活用してください。

食品添加物とは

たくさんの惣菜

食品添加物とは、「食品の製造過程または食品の加工・保存の目的で食品に添加・混和の方法によって使用されるもの」と食品衛生法で定められています。

大昔から人々は、食品を長持ちさせるために塩漬けや天日干しにしたり、煙でいぶしたりといった工夫をしてきました。
また、赤しそやくちなしの実で、食品に彩りを添えていました。

こうした人々の食生活の工夫の中から生まれてきたのが、食品添加物です。

食品添加物のメリット4選

キムチを乗せた豆腐冷ややっこ

食品添加物には、以下のような役割があります。

メリットを4つの役割ごとに見てみましょう。

それぞれ解説します。

食品の製造や加工の過程に必要

食品添加物は、加工食品の多くに使われています。

以下の表で例を見てみましょう。

食品食品添加物役割
豆腐にがり豆乳のたんぱく質を凝固する
中華めんかんすいめんを引き締め、コシを出す
ホットケーキベーキングパウダー生地を膨張させる

表にあげた添加物は、どれも加工の過程に必要な食品添加物です。

また、食品添加物の使用により低コストで安定供給が可能になることもあります。

例えば、以下の表のとおりです。

食品食品添加物効果
豆腐消泡材豆乳の泡立ちを抑える
ドレッシング乳化剤水分と油分を均一に混ぜる
ジャムゲル化剤ゲル状に固まらせる

製造のコストが抑えられると、消費者が低価格で食品を購入できるようになります。

品質の保持、保存性の向上

食品の取り扱いで最も気を付けるべきことのひとつが、食中毒です。

食品添加物のひとつである保存料は、食中毒の原因となる微生物の繁殖を抑制します。

保存性が向上すると、災害用の備蓄食品と即席食品に貢献できるようになります。

流通コストも下げられるため、遠方の食品を食べる機会が増え、食の多様性が得られることも利点です。

食品の嗜好性の向上

食品添加物は、以下のような嗜好性を上げて食品の魅力を増やせます。

  • 風味:甘味料、香辛料など
  • 食感:ゲル化剤など
  • 香り:香料など
  • 色:着色料、発色剤など

また、飲み込みにくい時の補助として、介護食に増粘剤でとろみを付けることが可能です。

栄養価の強化、補填

食品添加物は、製造過程で失われた栄養を補ったり、もともと食品に備わっていなかった栄養分を付加したりすることで、栄養バランスを強化できます。

現代の食生活で不足しがちな栄養成分を付加することも可能です。

食品添加物のデメリット4選

缶のプルトップ

次に、食品添加物のデメリットを以下の4つ挙げます。

  • 一部の食品添加物の検証不足
  • 厚生労働省の検証(実証)に対しての課題
  • 製造者のルール違反の可能性
  • 添加物による糖分・脂質・塩分過多の危険

それぞれ解説します。

一部の食品添加物の検証不足

過去に使用されていた食品添加物の中には、全性について化学的な検証が乏しく、後になって危険性が認められたものもあります。

有名な事例にアカネ色素があります。

アカネ色素は以前、既存添加物としてハムやソーセージに使われていました。

しかし平成15年に行われた安全性試験で、発がん性が認められたため、現在では食品添加物から消除されています。

添加物原料用途経緯
アカネ色素アカネ科の植物ハムやソーセージ平成15年の安全性試験で発がん性が認められる
→食品添加物から消除

後で説明する「既存添加物」は検証不足な部分があり、現在でも安全性の再評価と見直しが行われています。

厚生労働省の検証(実証)に対しての課題

食品添加物それぞれの安全性は確保されていても、「複数摂取」についての検証(実証)は不十分です。

現在の科学技術では、食品中に含まれるすべての成分との相互作用を検証できないためです。

添加物同士が影響しあう可能性もあれば、食品添加物以外の成分(タンパク質や脂質など)と何らかの相互作用が起こりうることも考えられます。

製造者のルール違反の可能性

食品添加物は一部を除き、単体で食することを目的としていません。

そのため、食品添加物本来の用途から外れた目的で使用された場合は、健康被害にあう恐れがあります。

豆腐の「にがり」や「活性炭」を使ったダイエット商品などは、本来の使い方ではありません。

食品添加物として食品の中に規定内の量を使った場合は安全性を認められていても、食用などで大量に使われてしまう場合は、決して安全性は認められていないので注意が必要です。

添加物による糖分・脂質・塩分過多の危険

食品添加物は、薫や味にも大きな影響があるため、気づかないうちに糖分・脂質・塩分を過剰に摂取してしまう恐れがあります。

糖分を例に説明します。

種類砂糖の量
500ml中
原材料中の主な添加物望ましい一日あたりの糖分摂取量
スポーツドリンク20~40g甘味料、香料など25g以下
炭酸ジュース30~55g酸味料、香料など25g以下

添加物の効果で爽やかな飲み口に誘われてがぶ飲みしていると、知らず知らずのうちに糖分を大量に摂取してしまうことになりかねません。

糖分に限らず、同じように脂質や塩分の取りすぎは健康を害する危険性があります。

直接の原因ではないにしても、食品添加物の間接的なデメリットといえるでしょう。

食品添加物の種類

カラフルなゼリービーンズ

食品衛生法で認められた食品添加物は、4つに分類されます。

例と概要は、以下の表のとおりです。

種類概要
指定添加物・ソルビン酸
・キシリトール
・安全性と有効性を確認されている
・国が使用してよいと指定した添加物
既存添加物・クチナシ色素
・タンニン
・長年の食経験がある
・国が使用を認めている
・安全性に関する見直しが順次行われている
天然香料・バニラ香料
・カニ香料
・動植物から得られる天然の香料
・長年の使用によって安全性が認められる
一般食品添加物・イチゴジュース
・寒天
・一般に飲食に供されている
・添加物としても使用されている

指定添加物には、化学的合成添加物と天然由来添加物があります。

その他3種は、天然由来添加物です。

食品添加物の危険性

食品添加物には、一日許容摂取量(ADI)があります。

安全性を調べる試験では、毎日一定量を食べ続けても異常が出てこないとされる最大無作用量を推定し、これを無毒性量とします。

無毒性量のさらに100分の1の量が、一日の許容摂取量ということです。

食品添加物を極端に大量に摂取しない限り、体に影響を及ぼす毒性はないとされています。

とはいえ上記のデメリットでもふれたように、複数摂取についての検証が不十分なことや、食品中の成分と相互作用する可能性など、課題も残ります。

食品添加物の危険性は、一つの食品では一日許容摂取量が守られているとしても、「だから安全」とは言い切れない点です。

食品添加物について日本と海外の違い

食品添加物の基準は、各国によって定義や品目が異なるため、一概に指定された数だけを見て多い、少ない、とは言えません。

また、安全性が認められていても、国によって対応が異なる場合もあります。

タール系色素である「赤色2号」について、日本とアメリカを例にして説明します。

赤色2号について理由
日本指定添加物・安全性が認められる
アメリカ合衆国使用禁止発がん性が認められないことがわかっている現在も使用禁止

アメリカでは1976年、赤色2号の発がん性について安全性が確認できないとの理由で、食品添加物としての使用を禁止していました。時を経て、再評価により現在では発がん性が認められないことがわかりました。

それでもアメリカでは、赤色2号の使用を禁止しています。

日本では、安全性が認められる、という理由で赤色2号は指定添加物として使用が認められています。

食品のメリット・デメリットを把握して上手に付き合おう!

現代の食生活は、食品添加物に大きな恩恵を受けていると言えます。

半面、心身への影響は、いまだに不明な点も多く残っているのが現状です。

「複数摂取」「過剰摂取」をなるべく避けるための方法は、以下の通りです。

  • 原材料表示をチェックする
  • 食品添加物の使用品種が多い市販のお菓子や即席めんなどを控える
  • できるときは自炊してみる
  • 調味料を見直してみる

食品の原材料名の欄には、/記号(スラッシュ)の後に食品添加物が表記されています。

この記事をきっかけに食品添加物のメリット・デメリットを把握して、個人の嗜好や体質などを考えながら自分なりの付き合い方を見つけ、自らの食生活を見直してみましょう。

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